桑原広徳
2021年1月6日
仕事術
今日は仕事における「報告の仕方」について、お話します。
(一応)会社の経営もしながら、人材領域でも仕事をしている私は、若手社員、中堅社員、幹部社員、経営者、様々な立場の方のお話を聞くことがあります。
その中で思うことは、
仕事は「報告の連続でできている」ということ。
社内でも、社外でもそう。
というか、仕事は「頼まれごとの連続」と言ってもよい。
「それ、やりましょうか」
「じゃあ、お願いします」
「かしこまりました」
「終わりました」
「ありがとうございました」
「こちらこそ、ありがとうございました」
この連続にサービスとその対価を乗せて、仕事はまわっている。
そこで、私自身、およそ10年前の新人のときから教えてもらっていたのは、
何かをやる前には
「事前に報告すること」だった。
たとえば、
何かを発注する際、事前に上司に
「〇〇をやってもよいですか?」
などの確認をとり、上司が検討し、承認をしてから進めるという流れである。
私がここ最近感じるのは、これではもはや「遅い」ということである。
キャリアを重ね、上の立場になって感じるものではあるが、部下からの報告でも上司を助けるものと、そうでないものがあることに気づいた。
私が部下から報告をもらって辛いものは
「〇〇にしようと思いますが、どうですか」
「〇〇の件、ご確認ください」
「〇〇について、どちらがよろしいでしょうか」
などなど。
もはや、クイズ。
こうなると、上司の思考の時間を奪ってしまい、手が止まる。
上司の手が止まるということは、その上司が、そのまた上司から受けていた仕事をやる時間がなくなってしまう。
上司には部下よりも未来をみえている分、道を作っていく仕事もある。
つまり、それだけ組織が未来に進むスピードが落ちてしまうことでもある。
社外であればなおさら、相手に考えさせる時間まで配慮し、報告する。
一流の、、、というか、普通のビジネスパーソンはクライアントにも取引先にもクイズは出さない。
報告は、
「やっておきました」
という事後報告がオススメ。
事前だとしても、
「〇〇の件、これでいきます」
と報告すべし。
上司が「了解」という一言でだけ回答できるような、そんな報告をする努力をしてほしい。
まずは、自分が問題を探す努力をし、上司よりも考え、上司よりも先にやっておくスタンスが良い。
事前に報告すべき場合だったとしても、「これでいきます」と、取り掛かる寸前くらいの勢いをもって報告する。
もちろん、この言葉には、絶対的にな「根拠」が隠されている。
自分なりにでも、上司ならどうするかを考え、導き出した根拠の上に、「やる」こと。
そんな実践、報告をすることが、自らの仕事の質も、スピードも高めてくれる。
「やっておきました」「これでいきます」という言葉を使う以上は、それなりの責任ものしかかり、根拠も必要となってくる。
人間には、ある程度の生存本能、防衛本能が備わっているため、「これでいきます」と吐くためには、自然と、失敗をしないように準備をし、自ら成功に導く努力をする。
「これでいきます」と自信をもって報告しても、失敗することはある。
それは上司も一緒。
これからの時代。いや、その時代はきているかもしれないが、変化が激しすぎて、上司ですら正解が分からない問題に直面することはある。
上司のスピードを緩めないためにも、まずは自分自身が覚悟と責任をもって、選択を上司に委ねすぎない姿勢が求められると思う。
「これでいきます」の成功と失敗の事例が、自分も上司も鍛えてくれる。
仕事のスピードが上がるということは、それだけ多くの仕事ができるということ。
多くの仕事ができれば、場数が増え、経験になり、スキルも役割も増えていく。
そうやって、キャリアは健全に積み上がっていく。
そして、この報告の仕方は、上司にもお願いしたい。
部下から報告が上がってくるようになったら、次は、報告の仕方も改善してほしい。
長々と報告されて、長々とフィードバックしすぎてはいないか。
上司も、自分のスタンスを見直してほしい。
自分の仕事のスピードを上げたければ、事後報告のスタンスで生きる。
1秒の改善が、組織の未来をより良くする。